200年余りの歴史を持つ青森県南部地方のせんべい汁

日本の伝統文化 青森編です。青森県八戸市周辺には料理専用の南部煎餅を使った、醤油味で煮立てたせんべい汁と呼ばれる汁物や鍋料理が郷土料理としてあります。

お菓子として食べる煎餅ではなく、せんべい汁の具にすることを前提として焼き上げた煎餅で「かやき煎餅(おつゆ煎餅・鍋用煎餅)」と呼ばれています。これを手で割って、醤油ベースの鶏や豚の出汁でごぼう、きのこ、ねぎ等の具と一緒に煮ます。

出汁を吸った煎餅は、すいとんの歯ごたえを強くした食感があり、もともとすいとんの食文化が盛んであった青森県南部地方で、すいとんの代わりに保存のきく煎餅を用いたと考えられています。

すいとん(水団)は、小麦粉の生地を手で千切ったり、手で丸めたりして小さな塊にして、汁で煮込んだ料理です。戦争中や戦後に多くの人が食べた「すいとん」と名前は一緒ですが全く別の料理です。

せんべい汁を提供している飲食店は、八戸市内135軒、八戸を除く青森県内12軒、岩手県二戸市内2軒、宮城県仙台市内1軒、東京都内7軒、神奈川県川崎市内1軒となっています。

せんべい汁の歴史としては、江戸時代(幕末)の天保の大飢饉のころに八戸藩で生まれたとされています。その後200年余りにわたって南部地方で食べられています。

2007年(平成19年)には、農林水産省主催農山漁村の郷土料理百選(郷土料理100選)に青森県の郷土料理としていちご煮と共に選ばれています。

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